ご紹介, 装幀の仕事(孝四郎)
『文蓺春秋』 1945年
2018/04/03
『文藝春秋』昭和二十年十月號(第二十三巻 第四號)復刻版、文藝春秋
平成七年十月号 綴じ込み付録。
編集後記に「復活第一號とも謂ふべき本號・・・・」とある。
この復刻版が出版社より贈られたとき、邦郎は使われた判子を探し出して、摺りに使った紙の残りの紙片に「表紙に使用」と書き、それを判子に巻いて保管していた。
『恩地孝四郎 装本の業』(恩地邦郎編、三省堂、1982年)には掲載されていない。
ご紹介, 装幀の仕事(孝四郎)
2018/04/03
『文藝春秋』昭和二十年十月號(第二十三巻 第四號)復刻版、文藝春秋
平成七年十月号 綴じ込み付録。
編集後記に「復活第一號とも謂ふべき本號・・・・」とある。
この復刻版が出版社より贈られたとき、邦郎は使われた判子を探し出して、摺りに使った紙の残りの紙片に「表紙に使用」と書き、それを判子に巻いて保管していた。
『恩地孝四郎 装本の業』(恩地邦郎編、三省堂、1982年)には掲載されていない。
ご紹介, 書(頼)
2018/04/03
轍(わだち)の妻、孝四郎の母、頼(らい)の書による「教育勅語」。
頼は、須藤愛司(露三)著『名士名家の夫人』70頁に「文武兼備」として採りとりあげられ、賊に押し入られたときの度量のある様子が伝えられている。
(国立国会図書館蔵 資料は下記アドレスで閲覧可能:http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/778840)
この書に採りあげられたほかのお家と同じように「名家」と言い得るかどうか判断できるものではないが、孝四郎に対しても古風な躾が成されたことは確かであろう。
この「教育勅語」は、孝四郎妻、のぶの部屋の欄間に、のぶが1978年に没するまで掛けられていたため、家族のあいだでは、頼のことを「ちんおもうにのおばあさま」と呼び慣わしていた。
ご紹介, 蔵書(孝四郎)
2018/03/04
Graitoff, Otto, Französische Malerei seit 1914,Berlin, Mauritius-Verlag, 1921
ドイツの美術史家、Otto Nikolas Grautoff (1876 -1937) による、1914年以降のフランス絵画についての書。
作品モノクロ写真あり。
カバーは孝四郎自身による。丸善のシールあり。
ご紹介, 蔵書(孝四郎)
2018/03/04
Schürer, Oskar, Pablo Picasso (Junge Kunst Band 49/50), Leipzig, Klinkhardt & Biermann, 1927
「Junge Kunst」叢書のうちの「ピカソ」、著者はドイツの美術史家、Oskar Schürer(1892-1949)、ただし、 とびらの著者綴りは、「oscar」となっている。
作品写真(カラー、モノクロ)あり。
カバーは孝四郎自身による。
ピカソの作品写真切り抜きの挟み込みあり。
ご紹介, 装幀の仕事(孝四郎)
2018/02/04
井上康文 詩集『梅』冨岳本社、昭和22年4月20日
以前の掲載が、展示風景の撮影であったため、実物を版木とともに再掲載。
口絵は、孝四郎木版「詩人の像」(心像図)(1947)。
『恩地孝四郎 装本の業』(恩地邦郎編、三省堂、1982年)には掲載されていない。
ご紹介, 蔵書(孝四郎)
2018/02/04
Tietze, Hans, Deutsche Graphik der Gegenwart E. A. Seemann, Leipzig, 1922.
以前、掲載時に未撮影部分あり。常にすべての紙片や書き込みページを撮影しているわけではないが、これは紙片にメモがあったため、改めて撮影し、再掲。
オーストリアの美術史家で、ウィーン大学教授も務めたハンス・ティーツェ(1880 – 1954)の著作。
蔵書印2種あり。欧文は「おんち」のドイツ語表記「ONZI」が採用されている。
ハインリヒ・カンペンドンク(1889~1957)、ジョージ・グロス(1893~1959)のページに挟み込まれた紙片(メモあり)は孝四郎による。
撮影の台として使った木片は版木、スコアは、孝四郎長男・邦郎の妻、展子所蔵のものを活用。
ご紹介, 蔵書(孝四郎)
2018/01/04
Perspectives 2 Literature, Art, Music, London Hamish Hamilton Ltd., 1953
ロンドン・ハミッシュ・ハミルトン社発行の文芸総合誌。
2号は、アメリカの評論家、ライオネル・トリリング編、内容は文学、美術、音楽、映画、書評など多岐にわたる。
押し葉は孝四郎自身による。
ご紹介, 装幀の仕事(孝四郎)
2017/12/04
武者小路実篤『少年少女のために 愛と美の人生論』(学生選書)、梧桐書院、昭和25年1年5日
福田淸人『少年少女のために 文学者の歩いた道』(学生選書)、梧桐書院、昭和25年3月25日
所 勇『物語アメリカ史』(学生選書)、梧桐書院、昭和25年5月25日
表紙周囲は同じ木版の連続模様、梧桐書院のサイト、社史の頁にシリーズの写真がある(http://www.gotoshoin.com/outline.php)。
『物語アメリカ史』のみ『恩地孝四郎 装本の業』(恩地邦郎編、三省堂、1982年)に掲載(「カタログ」ナンバー446)。「カタログ」とあるが、これはいわゆる学術的な全作品目録ではない。
『装本の業』は、観て愛でるための書物として編まれたもので、担当編集者、山口守氏ほか撮影スタッフの極めて行き届いた配慮により美しい書物となっている。
ご紹介, 蔵書(孝四郎)
2017/12/04
Bossert, Helmuth Theodor, Altkreta : Kunst und Handwerk in Griechenland, Kreta und auf den Kykladen während der Bronzezeit(Die Ältesten Kulturen des Mittelmeerkreises, Bd. 1), Ernst Wasmuth A.-G. Berlin, 1923
ヒッタイト遺跡発掘、象形文字発見により知られるドイツ人研究者、美術史、文献学、考古学を専門とするボッセルト(1899-1961)による書、青銅器時代の古代ギリシャ、クレタ島、キクラデス諸島の芸術と工芸を扱う。豊富な図版(256頁)は壁画から調度品、装飾品まで多岐にわたる。
孝四郎の枠組みに捉われない関心が伺われる。もっともそれは、よく引用される「本は文明の旗だ」の一文に既に明らかであろうか。
2ヶ所に蔵書印あり。
紙片は孝四郎自身による。
ご紹介, 鋳金の仕事(邦郎)
2017/12/04
邦郎の東京藝術大学(東京美術学校)美術工芸科鑄金部卒業製作(昭和16年)
『卒業製作写真 昭和十六年十二月』(東京藝術大学附属図書館蔵)によれば
タイトルは「樹木より(梅の木)」、ほかの学生の「吾も逝かん決意」、「壁面戰陣譜 待機、激戰、勝利の前進」といった時代の空気を想起させる作品とは、雰囲気を異にしている。梅は、孝四郎の妻、のぶが好んでよく眺めていた、庭の蝋梅のことと思われる。
美術學校学生時代は、学校に行かず映画館にばかり通っていたというのが邦郎お得意の昔語りであったが、『金工製作法 合金法 着色法』(東京美術學校教授・清水亀藏先生述、昭和十二年五月謄寫(非売品)、印刷所:五十川謄寫堂)が書棚に大切に保管されているといった、折り目正しいところも。
なぜ鋳金部ではなく彫金部であるかについては記述なし。
左上に鉛筆で、邦郎の筆跡で「恩地」とある。
奥付には「本書は東京美術學校工藝科彫金部に於て講義用として百部限の謄寫せるものなり。無断にて複製又は轉載を禁ず」と、学生五名の名前とともに書かれている。