ご紹介, 所蔵(邦郎)
彫塑 (クニヲ)
2018/12/10
邦郎が使っていた書斎に無造作に置かれていたもの。
いささか読みにくいが、数字が刻まれており、「1923 八月 クニヲ」あるいは、「1928 八月 クニヲ」と見える
1923であれば、孝四郎の作、1928であれば、邦郎の作であろう。いずれにしても文字部分は孝四郎が刻んだと思われる。
貴重な資料を後生大事にしまい込んだりするのではなく、孝四郎が生きていた時代のように自然に、という考えから、アトリエのなかの作品や書籍も配置していた邦郎のことである。校長などという職を務めながらもシャイなところがあったので、孝四郎の愛情が伺われるものを、なおさら大切そうに扱わなかったのかもしれない。
もっとも晩年は孝四郎の作品継承のことはかり念頭にあり、自分の作品の管理などに専念する余裕もなく、案外、自分でも忘れてしまったのかもしれない。それも邦郎らしいところである。